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シチュエーションは、高校1年生の生徒会役員選挙後、ぐらいで捏造です(苦笑)
なお本日は大変申し訳ありませんが、拍手コメントに対するレスをアップできません。
単に眠気が酷いだけなのですが…申し訳ございません。明日まとめてでも行います。
04. 生徒会室
「ここを、みんなの居場所にしましょう」と。
無謀にも、高らかに宣言した奴がいた。
*
「はぁぁ……」
授業も終わって、あたいがほぼ毎日のように放課後を過ごすのが、生徒会室。
もとい、倶楽部の部室。
たまに生徒会の仕事なんかもするけれど、大抵は暇を持て余してる集まりで。
でも時には、やたらとんでもない事件に遭遇したりしてる、不思議集団。
(でもさ、あたいは別に、最初からこの中に入りたいなんて、思ってなかったよな)
思い出すのは、高校入学直後。無茶苦茶な発案の、言いだしっぺは清四郎。
他の奴らはともかく、あたいはもの凄く気が進まなかった、生徒会役員。
自他共に認める馬鹿だし、そもそも生徒会なんぞガラじゃないし。
……頑張って主張してみたけれど、結局翻意させられたのは、清四郎の策略。
「悠理の運動神経を活かさない手はありませんよ、ね?」
口調は丁寧、笑顔すら浮かんでたけれど。
実際あの目は全く笑ってなかったし、何というか、反論を許さないぐらいの勢いだった。
背筋が薄ら寒くなったのは、決して気のせいじゃなかったろうと、今でも思う。
んで、結局、どんな裏の手使ったんだかは聞いてないけど、全員無事に当選して。
あたいは『運動部部長』っていう肩書きを背負って、たまに部活の助っ人をしてる。
体を動かすのは嫌いじゃないし、むしろ好きなんだけど、この学校だと、ちと問題。
男女どっちも、自分に勝てる人間がそうそういないってのは、反則だと思う。
(実際ガチで勝負できんのって、魅録と清四郎と、種目限定で美童ぐらいか……うげっ)
改めて事実を悟ってしまうと、何だか悲しくなって、思わず空を仰いだ。
「おや、どうしました、悠理?」
いきなり声をかけられてびくっとしたけど、声の主には思いっきり心当たりがあったから。
「何でもなーい」
おどけて答え、声の方向に振り向くと、片眉を上げた清四郎がいた。
「そうですか?」
「そーだっての。ったくもう、清四郎さ、疑い深いのにも、限度あり過ぎ!」
「悠理にそんな風に言われるとは、心外ですな」
「けっ、言ってろ」
あたいは奴にもう一度背を向け、歩き出す。
「悠理、どこへ行くんですか?」
背中に届いた清四郎の声に、くるりと振り返って。
「助っ人!今日はこれからテニス部」
じゃな、とひらひら手を振って、あたいはコートへ駆け出した。
とりあえず、なっちまったんだから仕方ない。
たまには真面目に、仕事してやる!
*
あたいの背中をじっと見送って。
「……帰りは送って行きますか」なんて。
呟いてる男がいたのは、知らずに。
(お題配布元:哀悼花様)
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。