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今まで書いたものの中で続編やら何やらを書き終えてないものが結構ありますね。
8月中に目処をつけたいところです。
すみません、拍手コメント等拝読しているのですが、レスは持ち越しさせて下さいませ。
幾度目かの大喧嘩。
愚かにも。
明日になれば戻れると、信じていて。
『もう一度、貴女とキス』
異変に気付いたのは、3日後。
喧嘩の翌日から、帰宅もできないほど忙殺されて。
やっと戻れたとき、気がついた異常。
突き返された合鍵。
拒否された携帯。
それが答え。
深い溜息は、空しく部屋に溶けていった。
友人達から呆れ返られる程に、意地っ張りな僕と貴女。
それはもう、折り紙つき。
互いに実家の行き来も多く、互いの家族も既に旧知の間柄。
居場所を知る事など、造作もない。
それでも、動かない。
動けない。
動いた方が、負けのようで。
第三者から揶揄されても、致し方ない程の、同類。
募る想いと、焦る心と。
天秤が、ふらふら揺れて。
それでも、動けなかった。
*
再会は2年後、仕事で参加したパーティーの席。
連れもなくひとり佇む姿に、息を飲む。
細身を包む大胆なカットの黒いドレスに、髪は細い首筋を強調させるように纏められて。
控え目にメイクを施すだけでも、よく映える端整な顔立ち。
唇を引き結び、周囲に視線を巡らせるだけで、特有の太陽のような明るさは鳴りを潜め。
近寄り難い硬質な空間すら、作り出せるようになっていた。
遠巻きに羨望の眼差しで見つめる、男達の視線すら、不愉快で。
向けられた背に、声をかける。
「……悠理」
掠れ気味にならぬよう、細心の注意を払って。
「あれ、清四郎?いたんだ。久し振り」
強張った笑みは、彼女の嘘。
きっと、自分に気付いていた筈。
これ程までに、互いに強情を貫くのかと、自分と彼女の両方に呆れて。
顔が、歪む。
「随分なご挨拶ですね」
僕の表情に何かを感じ取り、姿勢がやや低くなって。
まるで小動物が、敵から逃げようと機会を窺うかのような仕草。
───逃がさない。
「……何だよ」
「それは僕の台詞です」
怯えの色を微かに宿した瞳など、見ていたくなくて。
強引に細い腕を捕らえ、パーティー会場から大股歩きで退場。
悠理が喚くのは、完全に無視。
ちょうど見つかった営業車へ、強引に彼女を押し込んでから、自分も乗り込んで。
行先だけを運転手に告げて、僕は無言を貫いた。
往生際の悪い彼女も、流石に観念し、大人しくしていた。
抱き締めた肩の細さは、変わっていなかった。
吐息に混じる、甘い香りも。
自分の全身で包み込む、悠理の確かな存在が嬉しくて。
「やっと、捕まえた」
声が、震えた。
「悠理。やっと……逢えた」
無骨な己の手に吸い付くような、頬の柔らかさも。
重ねた唇の熱さも。
絡め合う舌の甘さも。
自分を見つめて潤む瞳に確かに宿る、煌くばかりの意思の力も。
「………ごめん」
「僕も同じです。ごめん、悠理」
互いが素直に謝罪をし、抱擁して温もりを確かめ合う。
ここまで来るのに、2年もの時を費やした、愚かしいほどに意地っ張りな自分たち。
思えば幾度もこんな風に喧嘩して、その度に意地を張り合って。
いい加減に学習すればいいものを、気がつけば同じように、また主張をぶつけ合ってしまう。
だけど、これが僕たちで。
そして。
僕たちはそうやって、更にお互いを求め合って、愛し合うのだから。
「数年越しの喧嘩は、これで終わりにしましょうか」
「……ん」
喧嘩の終わりの宣言をしてから。
身も心も蕩けそうなぐらい、深く真剣なキスを交わした。
*
身も心も、魂すらも絡めあうように求め合うから。
貴女とのキスは、いつも甘い。
だから、もう一度キスをしよう。
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。