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100質の回答などを作らせていただいたせいでしょうか、ネタが降ってきてくれました(笑)
ということで、拍手お礼文は早々に入れ替え。新学期のネタですしねえ。
待ちくたびれて……などいないのに、ヤツは勝手にやって来る。
「あーあ、今日からまたガッコかよ」
ひとり自室のカレンダーに向かってぼやいてみても、現実からは逃げられないわけで。
柄じゃない溜息つくのも、飽きたわけで。
久し振りの制服に身を包み、一歩外へと踏み出す。
「……よっしゃ、行くぞ!」
無駄に拳を突き上げ、気合いなんて入れてみたりして。
そして本日、2学期の始業式後のホームルーム。
あたいは某・鬼家庭教師のシゴキにより、宿題を全て完了させていたため。
自分の担任と、クラスメイトの全員を、ショックで硬直させた。
*
「……ったく、ひでーよなあ、あの反応。魅録までだぞ!?」
「まあ仕方ないですよ。日頃の行いから言えばね」
退屈極まりない始業式と本日の授業を終え、疲労困憊して帰宅したあたいを。
何故か今自分の膝の上に横向きに乗せ、抱き締めて頭なんぞ撫でてるのは、専属鬼家庭教師。
……まあ、ぶっちゃけ現在の態度は『家庭教師』じゃなく、『彼氏』ポジションで。
やけに距離が近いってのは自覚してるけど、正直この扱いはキライって訳でもなく。
学校の後一度自宅へ帰り、服もしっかり着替えてきた男は。
さっきからあたいの髪を弄んで、大層上機嫌だ。
「大体、僕の指導がなければお前の宿題なんて、まだまだ終わってないんですよ、悠理」
「うー……わ、わあってるよ。清四郎のおかげ、です」
「うむ。わかればよろしい」
こっちが珍しく礼なんて言ったのが余程気に入ったのか、清四郎は当然だと言うように頷いて。
再びあたいの髪を撫でつけ、弄ぶのに没頭中。
正直動きにくいし、誰も見てないとはいえ羞恥は抜けないので、いい加減離してもらいたいのだが。
目の前の男には、全くその気はないらしかった。
ふうっ、と大袈裟に溜息をひとつついて、くるりと背後の清四郎に向き直る。
「どうしました?」
指からあたいの髪がすり抜けたのがご不満なのか、無駄に綺麗な顔の眉間に皺が寄っている。
でもその程度じゃ、元々の良さが損なわれることはないのが凄いところ。
イヤ正直、この表情してると、かなりとっつきにくい雰囲気なんだけど。
でも、もう長い付き合いだから、あたいだって知ってる。
こういう時には、心持ち上目遣いで相手をじっと見つめて。
「……何でもないよ」
笑顔と一緒に、相手の首に腕を回して密着しちゃえば、もう大丈夫。
「珍しいですね。どういう風の吹き回しですか」
「だからさ、何でもないって言ってるだろ」
「そうですか……」
まあいいでしょう、とまたエラそうに呟く声がしたけど。
その声は心持ち弾んで、どこか楽しげに耳に届いたし。
しっかりとあたいの背中に回された両腕には、がっちり力が入っているのがわかるから。
あたいは清四郎の肩に顔を埋めたまま、口元を緩めた。
*
何となく、だけど。
あたいは案外、今のままで、幸せなのかもしれない。
(掲載期間 2008.9.3~2008.9.7)
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。