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拙サイトの管理人、シスターMでございます。
すっかりご無沙汰しておりました、申し訳ありません。
見事なぐらい何も創作意欲がわかない状態が続き、自サイト完全放置の有様でございました。
正直なところ、かつての勢いはすっかり失われておりますが、久々に駄文投下させていただきます。
清四郎一人称です。
不在放置の間にご訪問下さいました皆様、そして拍手等でコメントを下さいました皆様。
どうもありがとうございました。
状況を確認のうえ、改めてレス等させていただきたく存じます。
優しさじゃ、ない。
『欺瞞と嫉妬と溜息と』
例えば定期テスト明けとか、折々の生徒会主催行事など。
事ある毎に催される『打ち上げ』と称する飲み会は、とても楽しい。
勿論未成年である自分達には、飲酒も喫煙も本来は認められない事など百も承知していて。
それでも楽しく心浮かれるひと時は、既に自分の生活の一部。
華やいだ雰囲気のせいだろうか。
それとも、ほど良いアルコールの効果なのだろうか。
日頃心の奥底に仕舞い込んでいる感情が、そっと横顔を覗かせる。
*
「……全く、仕方ないですねぇ」
定期試験の打ち上げという名目で、剣菱邸へ集合し。
無数にある部屋の一室をいつものようにお借りして、怒涛の酒宴を繰り広げ。
いつにないハイペースが祟ったのか、はたまた仲間内でも一番の上戸である悠理に前日まで徹夜で勉強させていたのが悪かったのか。
気がつけば、自分を除き全員が撃沈。
ソファに寄り添う野梨子と可憐、隣のカウチでクッションと仲良しの美童、同様に床でワインボトルとお友達になった魅録。
笊どころか木枠だ、と断言できる悠理ですら、気持ちよく寝息を立てて床にころりと丸まっている。
ふむ、としばし思案を巡らしてから、内線電話を手に取って。
「ああ、すみません、清四郎です。僕以外全員撃沈してしまいまして」
剣菱家の使用人に頼むのは、仲間4人の寝具の手配。
それから一言、付け足しておく。
「それから悠理ですが、僕が部屋まで運びます」
相変わらずのスウェット上下に身を包む身体を抱き上げ、夜半の静かな廊下をゆっくり歩く。
腕の中に収めた悠理の穏やかな寝顔を、近くで見つめられるのは役得だ。
一日6食は確実に胃に収めている筈なのに、と相変わらずの軽量さに首を傾げるが。
しこたまワインだの日本酒だのを収めたせいか、悠理の体温は通常のそれよりも高い気がして。
心なしか、吐息の熱さも甘さも通常の2割増しのように思える。
(……無意識というのが、一番性質が悪いんですよ)
一歩歩く度にふわふわ弾む猫っ毛に、唇を寄せて思わず笑んでしまうのは、自分にも酔いが廻ったためだろうか。
頭を振って、眠る彼女を起こさぬように部屋へと何とか辿り着き、大きなベッドへ横たえて。
ふわりと羽根布団をかけてから、するりと自分の身体を横へ滑らせる。
「さすがに寝てるお前に手を出すのは、犯罪めいた行動でしょうな……やめておきますよ」
未だ目覚める気配のない悠理の耳元にそうっと囁き、一度だけ柔らかく唇を落として。
細い身体を抱き締めてから目を閉じて、柔らかくて心地良い体温と睡魔に身を委ねた。
*
自分以外の人間に、悠理の寝顔を見せたくない。
それは『恋人』の特権であって欲しいから。
呆れるぐらいに独占欲の強い男の、あまりにも利己的な自己欺瞞。
貴女は、許してくれるでしょうか。
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。