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しかも先程アップした駄文には、全く愛がございません。どうしてだろう。
…精進せねば。
きっと、貴女に似合うでしょう。
『コーンフラワー』
思いがけないトラブルで長引いた、出張。
無事日本の土を踏んで、まず訪れたのは、気の置けない仲の友がいる店。
「あら、無事に戻れたようね」
屈託ない笑顔で迎えてくれた彼女へ、注文していた品を尋ねると。
「勿論しっかり出来てるわよ。ほら、見事なもんでしょ」
精巧な造りのケースに納められたそれを受け取り、僕は笑顔で彼女に礼を述べると。
足早に、愛しい彼女の元へ向かった。
*
「清四郎、お帰り!」
「ただいま、悠理」
1ヶ月ぶりの抱擁に、変わらぬ甘さを宿す最愛の女性の温もりに、しばし酔い痴れて。
互いの吐息を与え合うように接吻を交わしてから、微笑みあった。
満面の笑みを浮かべる彼女の額へ、再度唇を落としてから、ポケットへ忍ばせていた箱を取り出す。
「悠理、これを受け取って下さい」
「……え?」
「出張先で一目惚れしましてね。可憐に頼んで加工してもらったんですよ」
ジュエリー・アキの箱に収められていたのは、カシミールサファイヤを加工した指輪。
コーンフラワーブルーの名を持つ、見事な原石を入手する機会を得た僕は、即座に石を可憐に託し。
彼女は悠理に似合うように、と願いを込めて、見事なリングを仕立ててくれた。
大きな石の輝きを損なわぬようにカットされた石を、上品なダイヤが覆うシンプルなデザイン。
無駄な装飾を省き、石そのものの力を引き出したデザインは、自ら輝く悠理の強い意思にも似て。
さすがは可憐、と唸ってしまった程の一品。
ケースから取り出して悠理の指へと嵌めてみれば、上品な青がきらりと光る。
悠理は自分の指に嵌められた指輪をうっとりと眺め、こちらへ笑いかけた。
「綺麗だなあ……ありがとな、清四郎!」
「いいえ、喜んでもらえて僕も嬉しいですよ」
そのまま悠理を抱き締めて、僕は目を閉じる。
腕の中の温もりの、確かな感触を受けたくて。
*
コーンフラワー。
矢車菊と言われるそれの、花言葉は、幸福感。
これは僕の、偽らざる心。
だからこそ、貴女へ。
僕に限りなく幸福を与えてくれる、貴女への、贈り物。
(掲載期間 2008.9.8~2008.10.15)
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。