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現在無職のはずなのに、何故か日々物凄く色々な事態が発生し…気がつけば年末。
何とも恐ろしいことです。
私生活では物凄く大変な事が起こっていて、拙宅がせっかく5万ヒットを超えてめでたいというメッセージを頂戴しながらも何もできずにおります。
本当にこのような荒地へお越し下さる皆様、申し訳ありません。
久々に甘め?な駄文を投下します。悠理一人称。
なお勝手に清×悠、魅×野、美×可的描写ありですが、清悠しか登場しておりません。
以上をご了承のうえ、お読み下さる方々はお進み下さいませ。
ずっと、一緒に、って。
今だけでも、言いたい。
『ヤクソク』
空から降るのは、白い雪。
街並みを彩るのは、極彩色のイルミネーション。
世間が沈みがちな時期であっても、この季節は華やかに、と。
それはきっと、この街の人々の願いであり、誇り。
「すっごいなあ、毎年だけどさ」
「全くですな。見事なものですね」
ニューヨークの街中を、清四郎とふたりで歩く。
例年倶楽部の6人でやってた冬の旅行を、今年は諸般の事情で中止。
というか、気付けば倶楽部内でカップル3組成立、という椿事が発生。
魅録と野梨子は東京で、美童と可憐はスウェーデンで、そしてあたい達はここで。
それぞれの、クリスマスを迎えていた。
「さて、と」
あたいは視線の先にある大きなクリスマス・ツリーに向かって携帯を向ける。
それを見た清四郎が、当然のように尋ねて来た。
「写メですか?」
「そ。奴等全員へ、クリスマスカード代わりに。綺麗だろ?」
「いいですな」
清四郎は、いかにも楽しげに、笑った。
食後の乾杯は、やっぱりドンペリのロゼ。
シャワー後の火照った体に、程好い炭酸の刺激が心地良い。
「……うっまーい!」
「口に合いましたか?それは何よりですね」
イルミネーションを堪能して、豪華ディナーもしっかり味わい尽くして。
剣菱系列の豪華ホテルのスウィートルームで、今はふたりともバスローブ姿。
窓から眺める夜景をつまみに、シャンパングラスを傾けて。
室内に飾られたクリスマスオーナメントの存在が、雰囲気を盛り上げてくれていた。
「たまには、こんな過ごし方もいいもんですな」
「うん、そーだなあ」
ソファに並んで、清四郎の言葉に相槌を打つと。
何故か清四郎が驚きの表情に変わって、こちらを見詰める。
「おや、おじさんに似てお祭り騒ぎが大好きなお前が、意外ですな」
「ひでー!あたいだってさ、あいつらと馬鹿騒ぎすんのは楽しいけど、その、た、たまにはお前とふた
りきりってのも、いいじゃんか!だろ……わわ!?」
奴の態度が気に入らず、思わず口をつく本音。
そのまま詰め寄ろうとすると、逆に不意打ちを食らって、急に体を引き寄せられて。
手にしていたグラスが離れて宙を舞い、カーペットの上に倒れ、そこへ小さな染みを作った。
「ちょ、せいしろっ、苦しいっ!」
かなり強引な抱擁は、身じろぎひとつ許さない程で。
せめて楽な姿勢を取りたくて抵抗するも、拘束が解かれる気配は皆無。
じたばたと暴れてみるけれど、所詮この男に腕力で勝てるはずもなく。
諦めて体の力を抜き、厚い胸板に凭れかかってみると、何故か腕の力がやや弱まった。
かといって、離してくれる気配は相変わらずないのだが。
(……ったく、もう)
清四郎は、いつもこう。
どこでスイッチが入るのかは今ひとつ掴めないけど、一度入ればこの通りで。
やたらと強い独占欲を遺憾なく発揮し、抵抗する気持ちすら封じ込める程に抱き締めてくる。
最初こそそれに戸惑っていたが、今はもうすっかり慣れてしまっている自分がいて。
不思議なものだ、なんて思わず口元が緩む。
「悠理」
不意に届いた、清四郎の声。
「ん、何?」
応えて顔を上げてみれば、普段絶対お目にかかれないような笑顔の清四郎がいて。
甘い笑顔に負けないぐらいの甘い声で、告げる。
「愛しています。お前をずっと、永遠に」
「清四郎……」
「僕は神を信じる人間じゃありません。だから自分の心と、何よりお前自身に誓いましょう」
清四郎は、もう一度『愛しています』と繰り返して、顔をゆっくり近づけてくる。
考えるより先に目を閉じたあたいの唇が、柔らかくて熱い感触に包み込まれて。
このままふたりで溶け合ってしまうんじゃないか、ってくらいに、幸せだった。
*
ずっと、ずっと。
一緒にいたいよ。
あなただけと、永遠に。
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。