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当初予定よりやや早めに帰宅いたしまして、本日が当ブログの本年初書き込みとなります。
昨年勢いのみで開設し、いろいろとありましたが、何とかここまで続けてこられた当ブログ。
これもひとえに、ご訪問下さる皆様のおかげだと心から感じております。
本当にありがとうございます。
拙宅はこれからも、マイペースな低速運行を続けていくものと思われますが、お付き合いいただける限り、たまにでもお越し下されば幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
新年最初の文章は、最早使い古されている駄文です。清四郎一人称。
では、そろそろ他の素敵サイト様の作品を拝見しにネットに潜りたいと思いますので、皆様どうぞまたの機会に。
たった、ひとつだけを、祈りたくて。
『初詣』
「寒いな、やっぱ」
「真夜中ですからねぇ。大丈夫ですか?悠理」
「ん、まぁ中に結構着込んできたからな。お前は大丈夫か?清四郎」
「それはご心配なく、対策は立てて来てますよ、勿論」
他愛もない会話を交わしつつ、玉砂利をざくざく踏みしめて、境内を歩く。
思った以上の人出の多さに閉口するも、これはこれで役得だ、と考え直すのには理由があって。
『逸れてしまうといけないから』と相手をあっさり丸め込み、人前で手を繋ぐ自分たち。
驚く程に照れ屋で純粋な悠理を、合理的に納得させられたのは、悪くない。
「あたい、こんなに人が多い神社って初めてだなあ。清四郎は?」
「実のところ、僕も初めてですよ。親父には、正月に参詣するような暇がないものでね」
「あー……そっか、当直とかあんのか。やっぱ大変だよなあ、医者って。すげーなあ、おっちゃん」
「それを聞いたら親父も喜びますよ。でも、悠理はどうしていたんですか?毎年」
「ガキの頃は毎年来てたよ、家族で。でもそういう時って、他人締め出してたんだよね」
「……成程」
病院経営とは申せ、所詮は開業医の我が家と、世界的富豪の剣菱家。
このような他愛ない会話の中でも、感じられるのはその違い。
本来ならば、このように真夜中ふたりで出かけるような関係に、至らないのだろうけれど。
それでも、僕らは巡り会って。
「さて、悠理。何を祈るんですか?」
「ん?そりゃもう決まってんじゃん!美味いモンいっぱい食えますように、って!」
「全くお前は相変わらずですな。わかりやすいというか、単純というか」
「いーじゃんか!だいたいなあ、そういうお前はどうなんだよ!?」
「決まってるでしょ、お前の成績アップですよ」
この僕がつきっきりで家庭教師を務めているんですからね、と付け足せば。
悠理はあからさまに眉を潜め、何とも可愛げのない表情を見せる。
確かに、自他共に認める大の勉強嫌いである彼女にとって、この条件は不満だろうが。
僕にはちゃんとした理由があっての事なのだから、これだけは譲れない。
「ったく、なあ清四郎!賽銭投げたら御神籤引くぞ!絶対に」
「ええ、お付き合いしますよ、勿論」
どこか不機嫌そうな声を発しながらも、僕の手を振り解かないままの悠理の態度が嬉しくて。
僕は思わず、口元が緩むのを自覚していた。
*
悠理がちゃんと成績をアップさせて、無事に学校生活を卒業できれば。
僕らの関係も前進できるのは、明白なのですからね。
頑張って下さいよ、悠理。
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。