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そして今、ようやく1月の更新をしていなかった事実に気付いた阿呆は私です(爆)
どうぞご容赦を…。
心はいつも、貴女と共に。
『つながり』
クリスマス休暇だ、ニューイヤーだ、とこの時期浮かれていられるのは。
所詮閑職の人間なのかもしれない、と頭を僻みにも似た思考が過ぎる、今日この頃。
「清四郎君、次のプレゼンが今回の出張のメインだからね。しっかり頼むよ」
「ええ、お任せ下さい、豊作さん」
「本当に頼もしい義弟で、喜ばしい限りだよ。さあ、行こうか」
すっかり着慣れたビジネススーツに身を包み、義兄の豊作さんと歩くのは、某社の廊下。
手には新事業の概略を示した資料を落とし込んだディスク、そして愛用のPC。
先週末の2日間を使って仕上げた資料の出来栄えは、我ながら満足。
今日のこの時のためだけに、通常は悠理と過ごす週末を犠牲にしたのだから。
これで採用されないというなら、正直相手の常識を疑いたいとさえ思う。
「こちらでございます。さあ、どうぞ」
「ご案内ありがとうございました」
いかにも受付嬢、というような雰囲気の華美な女が、必要以上に科を作っているのが目障りで。
僕は黙礼だけを返し、しっかり前を見据えて一歩を踏み出した。
結局、無事契約成立。
僕は安堵感に包まれながら、豊作さんと2人、剣菱専用トライスラーへ搭乗し帰途へついた。
ハードスケジュールをこなした後の疲労感を訴える体を、機内のベッドへ横たえて。
開いたノートPCで読み返すのは、搭乗前に受信してあった悠理からのメール。
『清四郎、元気?
毎日仕事、お疲れさん。
きっとそろそろ予定全部終わって、帰宅できる頃だよな?
出来れば早く帰って来いよ!
早くあたいも逢いたいから、さ。
じゃ、しっかり休め!』
結婚しても相変わらずの、財閥令嬢とは思えない程の砕けたメールは。
それでも決して嫌ではなく、むしろ、昔と変わらぬ素直さに笑みが零れる程。
更に今、曲がりなりにも自分の妻である彼女が、自分を心配してくれているという事実。
これで口元が緩まぬ男など、恐らくいる筈もないわけで。
「……はいはい。ではお言葉に従って、日本に着くまで休みますか」
僕は大人しく毛布を被り、瞼を閉じて、意識が遠のくのをおぼろげに感じていた。
*
離れていても、心は常に貴女とともに。
そしてもうすぐ体も、貴女の元へ辿り着く。
心のつながりを、強く強くするために。
(掲載期間 2008.12.27~2009.2.10)
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。