暇人が開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。漫画『有閑』の会長と運動部部長を推してます。
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いつもご訪問ありがとうございます。
バレンタインデーもひと段落しましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
管理人、心躍る文章は元から大の苦手ですが、最近更にこの傾向が進んでおりまして。
と申しますか、創作自体がスランプのようです。
これもやはり年のせい…(汗)
でも、まだ辞めたくないとあがいておりますので、リハビリ的な駄文を投下。
清四郎一人称です。
拍手等で、いつもコメント下さる皆様。
何も仰らず拍手をして下さる皆様も、ありがとうございます。
書きかけの話の続きリク等ありがたいお言葉を頂戴してはいるのですが、今しばらくお待ち下さい。
嗚呼、全く。
菊正宗清四郎、久々の不覚。
*
(何年振りでしょうかねぇ、これ程発熱するなんて)
高熱にうかされた頭を無謀にも回転させてみるも、通常のような働きが見込めるはずもなく。
明確な時期を思い出せぬままに、問題を放棄。
そしてまた、重たい溜息をついた僕を、眉間に盛大な皺をこさえた悠理が見下ろす。
「ったく、何か調子狂うぞ、清四郎が寝ててあたいが看病してんのって」
口調は乱暴なのだけど、気休め程度の氷枕やら氷嚢やらをマメに気遣ってくれる手は、やはり女性特有の優しさと柔らかさで。
何より心許せる相手が側にいてくれる、という安堵感が自分の中に満ちている。
やはり人間、体調を崩した時にはどこか気弱になるもので。
魅録とのツーリングまで取り止めて来てくれたという事実も相まって、僕の心は大層穏やかだ。
そんな折、控え目なノック音。
「清四郎、入るわよ。悠理ちゃん、どう?」
「あ、和子ねーちゃん。結構熱高そう」
「へー、どれどれ?診せてよね」
仕事帰りの姉貴がひょこっと顔を出し、聴診器を首から提げて僕の顔を覗き込む。
途端にあらら、と肩を竦め、僕を寝かせたままで目や喉の調子を軽く診てから。
「こーりゃ相当やられたわねぇ、珍しい事もあるもんだわ。まさに『鬼の霍乱』」
「あ、ねーちゃん、それ野梨子も言ってたよ」
「まあ、さすがねえ」
悠理とふたりで仲良く談笑する姿は、普段見ても何も思わないのだが。
さすがにそのネタが僕自身である事は、いただけないと思った。
ふと、姉貴が僕をちらりと横目で見て、噴出す。
「ねーちゃん、どうしたの?」
「……ふふっ、悠理ちゃん、ちょっと耳貸して」
姉貴は悠理の耳元に何かを囁き、途端に悠理は真っ赤になって。
それから程なく姉貴が「じゃ、ちゃんと寝てるのよ、清四郎」と立ち去る。
後に残るのは、悠理と僕だけで。
不自然な、沈黙。
先程の内緒話の内容を、確かめてみたくて。
僕は焼け付くような痛みを自覚しつつも、何とか声を絞り出す。
「……ゆ、うり……」
「あ、もう!駄目だっての、お前喋んな!」
悠理は両手で僕の口を塞ぎ、それ以上の発言を強制終了させて。
再び頬を染めてから、そっぽを向いた。
「ったく、お前ってさ、熱出すと途端に子供っぽいな!」
(……は?)
彼女の発言の意図が掴めずにいると、恐らくは表情に表れたのだろう。
悠理はジト目で僕を睨みつけてから、言葉を続けた。
「さっき和子ねーちゃんが言ってたぞ!『清四郎ったら、悠理ちゃんと私が話してるだけでムッとしてる』って」
(!)
普段あんだけオヤジなのに、何でこういう時だけガキっぽい行動取るかなー!と。
悠理は八つ当たりに近い言葉を僕に吐くと、立ち上がり。
「そろそろ氷嚢替えて来る!」
肝心の氷嚢を持たずに、部屋のドアから逃亡した。
嗚呼、どうしよう。
また熱が上がりそうだ。
菊正宗清四郎、久々の不覚。
*
(何年振りでしょうかねぇ、これ程発熱するなんて)
高熱にうかされた頭を無謀にも回転させてみるも、通常のような働きが見込めるはずもなく。
明確な時期を思い出せぬままに、問題を放棄。
そしてまた、重たい溜息をついた僕を、眉間に盛大な皺をこさえた悠理が見下ろす。
「ったく、何か調子狂うぞ、清四郎が寝ててあたいが看病してんのって」
口調は乱暴なのだけど、気休め程度の氷枕やら氷嚢やらをマメに気遣ってくれる手は、やはり女性特有の優しさと柔らかさで。
何より心許せる相手が側にいてくれる、という安堵感が自分の中に満ちている。
やはり人間、体調を崩した時にはどこか気弱になるもので。
魅録とのツーリングまで取り止めて来てくれたという事実も相まって、僕の心は大層穏やかだ。
そんな折、控え目なノック音。
「清四郎、入るわよ。悠理ちゃん、どう?」
「あ、和子ねーちゃん。結構熱高そう」
「へー、どれどれ?診せてよね」
仕事帰りの姉貴がひょこっと顔を出し、聴診器を首から提げて僕の顔を覗き込む。
途端にあらら、と肩を竦め、僕を寝かせたままで目や喉の調子を軽く診てから。
「こーりゃ相当やられたわねぇ、珍しい事もあるもんだわ。まさに『鬼の霍乱』」
「あ、ねーちゃん、それ野梨子も言ってたよ」
「まあ、さすがねえ」
悠理とふたりで仲良く談笑する姿は、普段見ても何も思わないのだが。
さすがにそのネタが僕自身である事は、いただけないと思った。
ふと、姉貴が僕をちらりと横目で見て、噴出す。
「ねーちゃん、どうしたの?」
「……ふふっ、悠理ちゃん、ちょっと耳貸して」
姉貴は悠理の耳元に何かを囁き、途端に悠理は真っ赤になって。
それから程なく姉貴が「じゃ、ちゃんと寝てるのよ、清四郎」と立ち去る。
後に残るのは、悠理と僕だけで。
不自然な、沈黙。
先程の内緒話の内容を、確かめてみたくて。
僕は焼け付くような痛みを自覚しつつも、何とか声を絞り出す。
「……ゆ、うり……」
「あ、もう!駄目だっての、お前喋んな!」
悠理は両手で僕の口を塞ぎ、それ以上の発言を強制終了させて。
再び頬を染めてから、そっぽを向いた。
「ったく、お前ってさ、熱出すと途端に子供っぽいな!」
(……は?)
彼女の発言の意図が掴めずにいると、恐らくは表情に表れたのだろう。
悠理はジト目で僕を睨みつけてから、言葉を続けた。
「さっき和子ねーちゃんが言ってたぞ!『清四郎ったら、悠理ちゃんと私が話してるだけでムッとしてる』って」
(!)
普段あんだけオヤジなのに、何でこういう時だけガキっぽい行動取るかなー!と。
悠理は八つ当たりに近い言葉を僕に吐くと、立ち上がり。
「そろそろ氷嚢替えて来る!」
肝心の氷嚢を持たずに、部屋のドアから逃亡した。
嗚呼、どうしよう。
また熱が上がりそうだ。
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プロフィール
HN:
シスターM
性別:
女性
自己紹介:
国産ヒト型40代、夫・息子1人がいます。徒然なるまま…ではないですが、勢いに任せ、所謂二次創作をちまっと数年続けてます。
当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。
当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。
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