[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
こんばんは、皆様いかがお過ごしでしょうか?管理人です。
すっかり不定期更新となった拙宅へのご来訪、本当にありがとうございます。
一応早めにホワイトデー創作を投稿。清四郎一人称です。
一番あげたいもの。
それは、幸せで。
『あなたへのおくりもの』
自宅の窓から見える風景からも、早春の息吹を感じるこの時期。
(……ああ、そう言えば明日ですねえ)
たまたま目に入った卓上カレンダーの数字を眺め、ぼんやりと思う。
そう。
男の矜持が試されると言っても過言ではない、ホワイトデー。
まあ、それも親しく交際する女性がいてこそのもの。
さてさて、今年はどうしましょうか。
頭の中に思い浮かべたのは、自分が唯一贈り物をしたいと思う、女性。
容姿は一応人並み以上、本来の性質も素直、なのだが。
獣並みの運動能力や底なしの食欲、途方もない程の馬鹿っぷり。
とにかくありとあらゆる点において、規格外な女性。
更には家族も様々な点で常識を超えた人物であり、実家の財力も桁外れ。
正に人類の奇跡、スペシャルな存在である。
冷静な視点に立ってみれば、本来、完璧を以って宗とするのがモットーである自分が。
友人としての親しい付き合い以上に親密となり、ましてや将来を誓い合うような対象と認めるには。
周囲は勿論、自分自身で不条理かつ不可解な相手であるのだ。
……しかし。
恋は盲目、痘痕もえくぼ……とは言いますが、よもやそれを実感する羽目になるとはねぇ。
全く以って、この菊正宗清四郎にも予測はつきませんでしたよ。
───されど。
どんな事態も予測できぬのが、人の心。
難しい顔をして机上で唸っても、解決できる筈などない、だからこそ。
(人は出会い、惹かれあい……愛し合うのでしょうかねえ)
柄にもない思考に囚われている自分に、苦笑いを零すものの、それをどこかで享受しているのも事実で。
非論理的極まりないのだけれど、それがいい。
「……ふむ」
僕はゆっくり手を伸ばし、机上の携帯を手に取って、慣れきった動作を行う。
ものの数秒で機械越しの呼び出し音が鳴り始め、2コールが終了したところで。
『はい、もしもし?清四郎、どうかしたのか?』
機械越しでも元気を与えてくれる、快活な女性の声。
自然と綻ぶ口元は、幸い電話の向こうにいる彼女には見えない。
「ねえ、悠理」
『ん、何?』
僕は一度深呼吸してから、彼女へ告げた。
「今夜、夕食でもどうですか?ちょっと聞きたい事もありますから」
*
あなたの望む『幸せ』をどうやったらあげられるのか。
今宵一晩、語りましょうか。
本番の、明日までに。
04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。