暇人が開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。漫画『有閑』の会長と運動部部長を推してます。
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こんばんは、管理人です。
本日付で正式に『更新停止』に入らせていただこうと思いますので、web拍手を一時撤去いたしました。
どうぞご了承ください。
さて、管理人リアル引越準備でかなりヤバい状況ですが。
そんな中で唐突に思いついた清悠文を、後ほど投稿いたしますね。
更新停止前、最後の作品アップとなります。
梅でも桃でも桜でも、綺麗なのには変わらない。
と、言うことで。
『春色あそび』
父ちゃんと兄ちゃんが、外国へ出張した次の日。
「一足早く春を満喫しましょうね」
母ちゃんの満面の笑みに、物凄く嫌な予感が、メダリスト並みのダッシュスピードで脳内を駆け回る。
そして、翌朝。
目覚めた自分のために用意されていた衣装一式を見て、あたいたちは盛大に溜息をついた。
(……やっちまったよ母ちゃん……)
ワードローブの中身が勝手に交換されてる朝にも、いい加減に慣れっこになってるんだけど、さ。
まごう事なきピンク系のみで構成された、ひと揃え。
どこで調達したんだか、あたいのワンピやタイツはともかく、清四郎のソックスまで。
一応奴のはそれなりにシックで、気を遣ってはいるのは理解できるんだが。
どう見ても、ピンク色で。
「悠理……僕は昨夜遅かったので、お義母さんにお会いしていないんですが」
説明してもらえますよね、と有無を言わせぬ口調だった、清四郎の眉間には。
綺麗な青筋が、浮いていた。
「……それで、今回の衣装コンセプトがこのピンク系統なわけですな……」
既に腹を括ったというか、諦めの境地に達した清四郎は、比較的まともそうなものをチョイスして着ている。
いつも通りの髪型と、お馴染みの眉間の皺でまた溜息をつくけれど。
兄ちゃんや父ちゃんが着るよりは似合ってるように見えるのは、顔の違いだろうな、とぼんやり思う。
「もう諦めろって。母ちゃんに逆らうなんて無駄な事、しないんだろ?」
「そんな愚は冒しません。僕も命が惜しいですからな」
あたいの指摘に、溜息を交えた苦笑い。
それから、あたいの頭を軽く撫でて、目を細めた。
「さすが趣味が徹底しておられますな。移り香まで桜、とは」
予め服に移してあった微かな香りを、ズバリと当てる才能は、相変わらずだと思う。
「へぇ、さすが鼻も利くな。警察犬みてぇ」
「悠理、人をシェパード呼ばわりしないように」
清四郎は、じろり、と少しだけきつい目つきになってから。
「では参りますか、『奥様』。お手をどうぞ?」
悪戯っ子みたいな笑顔になって、あたいの前に手を差し出す。
子供のおフザケみたいに楽しんでるのは、わかったから、あたいもにっこり笑ってやって。
「……んじゃ、エスコート頼むよ、『旦那様』?」
ゆっくりと、薄桜色の手袋を嵌めた手を、差し出した。
何となく腕を組み、屋敷の中をてくてく歩く。
今朝の朝食は、どうやら中庭にセットされてるらしい。
「今日これから僕たちは、お義母さんのお相手でしょうな」
「……だろーな」
「まあ、急ぎの仕事もないですし、会長夫人の命令を拒否できる社員もいないですからね。仕方ないですな」
清四郎は、ふむ、と顎に手を当ててから、こちらを向いて微笑むと。
「では悠理、何か希望の食事があるなら早めに考えておいて下さいよ。僕が手配しますからね」
「うん、あんがとな!」
「礼は不要ですよ。夫として当然の事ですからね」
あたいの頭をまた軽く撫でて、にっこり笑った。
*
春だから、春の色に囲まれて。
たまにはふんわり、過ごしましょ?
(掲載期間 2009.3.17~2009.3.22)
と、言うことで。
『春色あそび』
父ちゃんと兄ちゃんが、外国へ出張した次の日。
「一足早く春を満喫しましょうね」
母ちゃんの満面の笑みに、物凄く嫌な予感が、メダリスト並みのダッシュスピードで脳内を駆け回る。
そして、翌朝。
目覚めた自分のために用意されていた衣装一式を見て、あたいたちは盛大に溜息をついた。
(……やっちまったよ母ちゃん……)
ワードローブの中身が勝手に交換されてる朝にも、いい加減に慣れっこになってるんだけど、さ。
まごう事なきピンク系のみで構成された、ひと揃え。
どこで調達したんだか、あたいのワンピやタイツはともかく、清四郎のソックスまで。
一応奴のはそれなりにシックで、気を遣ってはいるのは理解できるんだが。
どう見ても、ピンク色で。
「悠理……僕は昨夜遅かったので、お義母さんにお会いしていないんですが」
説明してもらえますよね、と有無を言わせぬ口調だった、清四郎の眉間には。
綺麗な青筋が、浮いていた。
「……それで、今回の衣装コンセプトがこのピンク系統なわけですな……」
既に腹を括ったというか、諦めの境地に達した清四郎は、比較的まともそうなものをチョイスして着ている。
いつも通りの髪型と、お馴染みの眉間の皺でまた溜息をつくけれど。
兄ちゃんや父ちゃんが着るよりは似合ってるように見えるのは、顔の違いだろうな、とぼんやり思う。
「もう諦めろって。母ちゃんに逆らうなんて無駄な事、しないんだろ?」
「そんな愚は冒しません。僕も命が惜しいですからな」
あたいの指摘に、溜息を交えた苦笑い。
それから、あたいの頭を軽く撫でて、目を細めた。
「さすが趣味が徹底しておられますな。移り香まで桜、とは」
予め服に移してあった微かな香りを、ズバリと当てる才能は、相変わらずだと思う。
「へぇ、さすが鼻も利くな。警察犬みてぇ」
「悠理、人をシェパード呼ばわりしないように」
清四郎は、じろり、と少しだけきつい目つきになってから。
「では参りますか、『奥様』。お手をどうぞ?」
悪戯っ子みたいな笑顔になって、あたいの前に手を差し出す。
子供のおフザケみたいに楽しんでるのは、わかったから、あたいもにっこり笑ってやって。
「……んじゃ、エスコート頼むよ、『旦那様』?」
ゆっくりと、薄桜色の手袋を嵌めた手を、差し出した。
何となく腕を組み、屋敷の中をてくてく歩く。
今朝の朝食は、どうやら中庭にセットされてるらしい。
「今日これから僕たちは、お義母さんのお相手でしょうな」
「……だろーな」
「まあ、急ぎの仕事もないですし、会長夫人の命令を拒否できる社員もいないですからね。仕方ないですな」
清四郎は、ふむ、と顎に手を当ててから、こちらを向いて微笑むと。
「では悠理、何か希望の食事があるなら早めに考えておいて下さいよ。僕が手配しますからね」
「うん、あんがとな!」
「礼は不要ですよ。夫として当然の事ですからね」
あたいの頭をまた軽く撫でて、にっこり笑った。
*
春だから、春の色に囲まれて。
たまにはふんわり、過ごしましょ?
(掲載期間 2009.3.17~2009.3.22)
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プロフィール
HN:
シスターM
性別:
女性
自己紹介:
国産ヒト型40代、夫・息子1人がいます。徒然なるまま…ではないですが、勢いに任せ、所謂二次創作をちまっと数年続けてます。
当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。
当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。
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