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暇人が開設した二次創作保管庫です。「二次創作」をご存知ない・嫌悪を覚える方は閲覧をご遠慮ください。漫画『有閑』の会長と運動部部長を推してます。
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こんばんは、家の整理がつかない(涙)管理人です。
とは申しましても、幸いにして未整理段ボール箱が漸く一桁に突入…っぽいです(苦笑)<推定

えー、唐突に思いついた「転居」絡みの清悠的小ネタを一気に投下させていただきます。
何せ創作活動もサボって久しい(爆)ので、まともな文章になっておりません。
それ故さまざまな点がおかしな事になっておりますが、ご容赦を。
全て悠理一人称です。

(追記:web拍手を一応復活させました。ぽちっとしていただけると、嬉しいです)

1 住民登録


とりあえず、証明書と印鑑を手に、お役所へ。
こーゆー手続きを自分ですんのは初めてで、ちょっとだけわくわくする。
ま、隣の男はいつでもどこでも涼しい顔だから、つまんないけどさ。
何てくだらない事を考えつつ、清四郎の隣で、据付のボールペンを使ってがりがりと書類を書く。
すると、わかんない箇所が出てきた。
「なぁ、清四郎?」
「何ですか?」
「ここってさ、自分の名前書けばいいのか?」
あたいの指差した箇所を見つめると、途端に清四郎の纏う気配が剣呑になった。
「………………」
「何だよー、その青筋は」
意味がわからん。
オマケに、思いっきり苦々しい表情しやがって。
「………………悠理」
「ん?」
「ここは、僕の名前でしょ」
清四郎は大袈裟に溜息をつくと、軽くあたいの額を小突いて。
「僕の家にお前が来たんですからね。忘れないで下さいよ」
「あ、そか。悪い」
「まあ、お前にとっては初めての事だから、仕方ないのかもしれませんな」
今度からは気をつけて下さいよ、と言い添えて。
清四郎は、穏やかに微笑んだ。


   *


翌日、免許の手続きに使うということで、住民票を取る。
有料だっていうのを初めて知って、ちょっと面白い。
「………へー」
出来上がってきた自分の住民票を眺め、照れ笑い。
世帯主が清四郎で、『同居人』って書かれてる自分。
何て言うか、公にも「一緒に暮らしてます」って宣言してる感じがして。
かなり、嬉しいかもしんない。


 +++++++
 

2 転居はがき
 

「んー……」
「おや、どうしたんですか?」
あたいが自分のノートPCの前で唸ってるところに、清四郎がやって来た。
「あ、ちょうどいいや。あのさ、清四郎。これ作って送れ、って母ちゃんが寄越したんだけど」
「どれどれ……ああ、成程、転居の挨拶状ですか」
「そ。んで、文面っての?どうすればいいかな、って」
相談してみると、清四郎はにっこりと微笑んで。
「心配は無用です、僕に任せておきなさい、悠理。手抜かりはありませんから」
「へ?」
首を傾げるあたいの頭を優しく撫でて、やけに自信たっぷりに頷いていた。


数日後、携帯のバイブが激しく振動。
画面に表示される『可憐』の名前。
「もしもし、可憐?」
『ああ、悠理!良かった、無事ね!』
「はぁ?」
開口一番安否を確認される意図がさっぱりわからず、あたいは素っ頓狂な声を上げる。
すると可憐は、携帯越しにでもわかるぐらいに溜息を零して。
『あんた、もしかして転居はがきの作成すっかり清四郎任せにしてるでしょ』
「う、うん」
『……やっぱりねぇ……。あいつも本当に、懲りないわよねぇ』
そう言ってから、今FAXで葉書の文面を送る、と伝えてきた。
可憐の言葉に従って、待つ事数分。
やがて電子音とともに送信されてきた、拡大された葉書の文面に。
「!!……あっ……の、馬っ鹿野郎っ……!」
あたいは、全身の血液が沸騰するかと思った。


   *


『この度、菊正宗清四郎さんと結婚を前提として同棲を始めました。
遠くない将来に、華燭の典のご案内をできると思いますので、今しばらくお待ち下さい。』


 +++++++
 

3 合鍵
 

「ただいま」
「お帰りー」
ちょっとだけ気恥ずかしくて、かなり嬉しい遣り取り。
妙にテンションが上がる自分を自覚してると、不意に清四郎が。
「悠理、これを」
「ん?」
「遅くなりましたが、お前に渡しておきますよ」
そう言って差し出したのは、ICチップを嵌め込んだ、銀色のカード。
「何、これ?」
「勿論ここのカードキーですよ。新たにキーを交換したので」
あたいの質問にさらりと答えると、清四郎はあたいの手を取って。
掌にそっとカードキーを載せて握らせてから、軽く唇を押し当てた。
「このキーは、この世で僕とお前の2人しか持っていません。忘れないで下さいね、悠理」
「え?」
「当然でしょ、ここは僕ら2人だけの家なんですからね」
思わず間抜けな声を上げ、きょとんとしたあたいに、清四郎は笑いかけて続けた。
「その家の鍵を持っていいのは、家族だけです。僕の家族はお前だけですよ、悠理」


   *


なまじ愛なんて囁かれるより、清四郎の言葉がくすぐったくて。
あたいは思わず赤面し、清四郎の胸に顔を埋めた。
勿論カードキーは、しっかりと握り締めたままで。

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プロフィール
HN:
シスターM
性別:
女性
自己紹介:
国産ヒト型40代、夫・息子1人がいます。徒然なるまま…ではないですが、勢いに任せ、所謂二次創作をちまっと数年続けてます。
当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。
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