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ネットでぼんやり調べていたら、本日は『温度計の日』だそうで。
温度計→体温計→風邪、というありきたり思考による風邪ネタ的創作を投下いたします。
悠理一人称です。
本日は寒くて風が強いです、北の地。山間部には雪も降ったそうで(汗)
……ちっくしょう。
この熱、どうにかしてくれよ。
『サーモメーターも使えない』
意識し始めたきっかけは、本当にささいな事。
確か、あたいが熱出して寝込んでた、高校の時。
ベッドで上半身を起こし、ぐったりしていたあたいに向かって。
「全く、深酒した挙句に全裸で寝ていて風邪ですって?どこの親父なんですかねぇ」
「……うっさい……」
全員で行っても悠理の負担になるから、と他の面々を説き伏せたという説明つきで。
学校からのお知らせやら、今日の授業のノートやらを手土産にやって来た清四郎が、大仰に溜息。
「だったら……お前、今度、父ちゃんの酒、断って、みろってんだ……っ、ごほごほっ」
「ああ、もう喋らないで結構」
うっかり咳き込んだあたいの背を、慣れた手つきでさすった奴は、困ったように笑みを漏らして。
「とりあえず、もう休んだ方がいいですよ。まずはしっかり休養を取って、食欲を回復させて下さい」
「……んー」
あたいの体を支え、寝床に寝かしつけてくれるもんだから、あたいも静かに目を閉じた。
すると、前髪をかき上げられる気配。
(あれ?)
向き出しにされた額に感じるのは、一瞬の柔らかな感触。
熱は、自分の方が高いせいか、全く感じられなかったけれど。
その感触の正体が、わからなくて。
(ん………!?)
「おや、まだ起きてましたか」
思いがけず近い位置にあった、清四郎の無駄に整った顔の超アップ。
声を上げそうになってしまったけれど、大量に息を吸い込んでしまったので、それで一瞬呼吸が止まる。
「悠理?」
「……げほっ!げほごほっ、ごほっ」
「どうしました、息でも飲み込んだんですかね。大丈夫ですか」
むせ返ってしまったあたいの背に手を入れて、慌てて体を起こしてくれて。
さっきみたいに何度もさすってくれるのは、有難いが。
何でやたらと顔が近かったんだ、とか、さっきの感触はなんだったんだ、とか、訊ねたい事も山積みで。
でも、今は咳き込むばかりで、とても質問なんかできそうにないから。
あたいは、色んな要因で真っ赤になったらしい頬のまんま、苦しいのに耐えながら。
「しっかりして下さいよ、悠理。お前がそんな調子じゃ、こっちがおかしくなりそうですから」
いつになく優しい声の清四郎に、背中をなおもさすられつつ、奴にしがみついてるだけだった。
*
この日の『妙な感触』の正体を、正確に奴から教えてもらったのは、回復後。
ただ。
「ほらね?」と、実地で状況再現まで、しやがった男に。
あたいが間髪入れずに蹴りを見舞ったのは、言うまでもない。
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。