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水無月に入り、梅雨の頼りも届く頃となりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
すっかり期間が空いてしまいましたが、リクエスト募集したお題を漸くひとつ消火です。
「パラレルで悠理と清四郎が幼なじみ設定。清四郎は『小さな恋のメロディ』みたいなのを狙っているのに悠理にことごとく気付いてもらえない、ガックリみたいな感じで。」というななお様のリクエスト。
幼馴染と映画、をコンセプトに頑張ってみて…この程度ですよトホホ。
大変残念な文章となっております、申し訳ありません。
清四郎一人称ですが…台詞がいちいちダメ過ぎですね、誰だコレ(汗)
冷血漢だと言われる自分も、それなりに。
夢もロマンも、あるのですよ。
『現実は、映画にあらず、と人思う。』
幼い頃から、彼女は西洋の人形のよう。
色素の薄いふわふわの髪も、きらきら輝く瞳も、それを縁取る長い睫毛も。
……でも、あの子が昔から嗜むものはバレエではなく喧嘩だから、淡い妄想は儚くも消える。
幼い頃からいじめっ子の男子連中に、まだ小さな身体で正面からぶつかって、時には怪我までして。
だけどあの子は、最後にはちゃんと和解して、次の日から喧嘩相手と遊んでた。
「おい悠理、今日も遊ぼうぜ!」
「うん、行く行くー!」
満開の向日葵の如き笑みを浮かべつつ、通学鞄など放り出して遊びに駆け出していく背中は。
やっぱり、小さな女の子、なのに。
「……」
颯爽と走る背中を目で追うことしかできない、鞄を背負ったままの僕が。
ぎゅっと握り締める拳に力が入ってしまうのは、気のせいじゃなくて。
*
(……思えば、全く報われない子供時代でしたなあ)
偶然発見した小学校の卒業アルバムを、ぱらぱらと捲りつつ溜息。
物心ついた時には既に『一生傍にいる』と心に誓っていた、最愛の幼馴染は。
アルバム内の色んなページに登場しては、派手に騒いで笑っている。
(この背中を素直に追いかけることができなくなってから……長く、かかりましたからね)
中学時代、暴走族と呼ばれる輩と平気で真夜中に出歩くようになった少女の、ふわふわ揺れる髪を見て。
何度その細い肩を捕まえて、腕の中に閉じ込めたいと、思っただろう。
今は新たに彼女を含めた仲間たちで、派手に色んなことをして。
周囲からも認識されるような友情関係を、しっかり築いているけれど。
かつてその背を見つめていた、西洋人形のように愛らしかった面影は今もそのままに。
されど少女は猪突猛進、勇猛果敢な戦国武将並みの猛者として成長して。
こう言っては何だけれど、女性的な夢だの愛だのに関しては、塵ほどにも興味がない。
改めて現況を省みるに、零れるものは溜息ばかり。
(全く以って、絵に描いたような前途多難の状況ですな)
昔の純愛映画であれば、互いを意識し思いを告げる事もできたであろう、間柄。
されど、恋愛から果てしなく遠く幼い、少女のように無垢な魂の幼馴染と。
好きな少女の前で緊張のあまり挙動不審に陥ることなどほぼ皆無、すっかり老成してしまった自分とでは。
もう最初から、無理なのだ。
少女へさり気なくアプローチ、などという、仲間のひとりが極々自然に行えるような気遣いすら。
妙に捻れ曲がった精神の持ち主となった自分がやると、むしろ不気味だと避けられるだけ。
あの子から不審なまなざしで睨まれるなど、絶対に御免蒙りたい。
どんなに困難であっても、回答はひとつである理系の問題と違って、恋愛の何と難解である事か。
「……本当に、どうしたら良いんでしょうねぇ……悠理」
最愛の人の名を呟く度に、切なさに軋む胸の痛みだけが、現実。
*
片恋の夢も浪漫も、存分に味わい尽くした気がするから。
どうか、両思いの甘い夢を、僕に。
幼い頃から追い続けている、貴女よ。
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。