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でも日蝕とかそんなの無関係で、要は清悠がイチャコラしてればいい、って感じの駄文です(恥)。
申し訳ございませんっ!
ところで、PC用テンプレートを以前使っていたものに戻したのですが、読みにくくないでしょうか?
もし不都合があるお客様がいらっしゃいましたら、是非に拍手等でご一報くださいませ。
世間が大騒ぎの天体ショー、という事で。
あたいは何となく、気に留めてた程度だったんだけど。
そうは行かなかった男が、約一名。
「さあ、悠理、行きますよ」
「へ?」
あれよあれよという間に、あたいは身支度整えられて。
気がつけば、太平洋上のひとだった。
『エクリプス』
(……ったく、清四郎の奴、考えたな)
自家用クルーズ船の甲板、ビーチベッドに寝そべったあたいは、大きく溜息。
船の持ち主は、勿論あいつじゃなくて、うちの父ちゃん。
世紀のイベントだ何だと言葉を並べ立てて、父ちゃんを焚きつけたんだろうと推測。
そして父ちゃんが腰を上げれば、あたい達全員を誘うから。
「ねえ悠理、一緒にエステ受けて来ない?」
「日蝕にはまだ間がありましてよ」
「あ、可憐、野梨子、僕が一緒に行ってもいいかな?」
「美童、お前海の上まで来て何してんだよ……」
「……魅録。どうせ美童は日蝕よか、自分の美貌だって」
あたいはベッドから身を起こし、肩を竦めてから奴等に告げた。
「可憐たち3人でエステ受けて来いよ、あたいは清四郎と魅録の作業見てっから」
3人がエステサロンへ消えた後、加え煙草で歩く魅録の背を目で追う。
勿論魅録の辿り着く先には、やけに上機嫌で観測機材をセッティングする清四郎。
ここでだらりと寝そべってるのも芸がないので、あたいもそちらへ近付く。
「準備、進んでんのかよ?」
「おや悠理、気になりますか」
あたいの声に、清四郎はこっちを向くと、にっこりと笑って。
「魅録という名エンジニアもいますからね、動画もバッチリ抑えますよ」
「おだてても何も出ねえぞ、清四郎。ま、楽しみだよなあ、マジで」
清四郎だけじゃなく魅録まで、声が弾んでるのがわかる。
……皆既日食って、ちょっと凄いのかも、なんて思った。
んで、本番。
父ちゃん母ちゃんが音頭なんて取って、カウントダウンなんてして。
いざ本物を目にしたとき、あたいたちは歓声。
「うっわぁー、すっげー!」
「本当ね、とっても綺麗じゃないの!」
「初めて見ましたけれど、とても神秘的ですのね。見事ですわ」
「何か……凄いね、圧倒されるよ」
「魅録、録画はパソコンに任せて肉眼でもしっかり堪能して下さいよ」
「勿論だって!こんな凄い皆既日食なんて、滅多に見られないぜ」
夜のように暗くなった空に浮かぶ、コロナの光。
太陽の眩しい光に遮られていた、星たちの輝き。
辺りの海までも、静寂に包まれた、ひと時。
そして、日蝕は終わった。
「……あーっ、綺麗だったぁー!」
「それは何よりでしたな」
日蝕観測会を無事終えて、船は一路日本を目差し、到着は明日の朝。
あたいたちはそれぞれ自室へ引き揚げて、夕食後のまどろむひと時。
んで、あたいの部屋に清四郎がいるってのは……その、最初から同室ってヤツで。
いつの間にやら、仲間内で暗黙の了解になってるのが、ちょっとだけムカつく。
(ま……今更何言っても無駄だけどさあ)
どうにもならない事ばかり考えてるのも、癪に障って。
あたいは大きく伸びをしてから、ベッドの上に寝転がってる清四郎の腹へダイブ。
「うわ!?」
清四郎は柄にもなく大きな声を上げつつも、しっかりあたいを抱き締めて。
「悠理、不意討ちは止してくださいよ、全く」
口では小言が出るけれど、ホントは全然怒ってない。
だって今、顔、笑ってるぞ?
「……へへ」
「何ですか?急に」
「なんでも、なーい……」
あたいは、にまにまと笑みを漏らしつつ、清四郎の胸へ凭れかかる。
どくんどくん、と規則正しい心音が耳に届いて、何だか嬉しい。
「珍しいこともあるものですね。お前が甘えてくるなんて」
清四郎の声も、何だかいつもよりすっごく優しくて、頭を撫でる手も温かくて。
「いーじゃんか、たまにはさ」
あたいはちょっとだけ、口を尖らせてみてから。
小声で一言、付け足した。
「今日、ありがとな」
「……どう致しまして」
清四郎は、すごく優しく囁いてから。
あたいの体を、ふんわりと、抱き締めた。
*
イベントってのは、やっぱり。
大事な相手と一緒だからこそ、楽しいんだ、って。
そんな些細な事を、改めて、感じた日。
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。