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この日に夫の誕生日と結婚記念日が重なる我が家、毎年のように。
バレンタイン以外はスルーが原則です(爆)。
皆様はいかがお過ごしでしょうか?
かなり怪しいリハビリ的文、悠理一人称でございます。
2月といえば、バレンタインデー。
『恋する乙女』であるならば、誰もが心ときめかせる、らしい。
……あー、そんなん柄じゃないっての!
*
日曜日の朝。
ぼんやり目を開けたあたいの視界に、飛び込んできたのは。
(あ……そういや、こいつ、いたんだっけ)
トレードマークのすだれ前髪も、風呂の後は普通に下ろされてて。
むしろ、すだれやってるよりも若く─というか、年相応でいいんじゃね?と。
以前ちょっと言ったところ、えらくムッとされた記憶がある。
(めっずらしー、あたいより寝てるなんて)
性格には思いっきり難だらけなのに、顔立ちだけは整ってる、男。
菊正宗清四郎。
……付け足すなら、あたいの「夫」。
昨日の深夜、こっちがうとうとしてた時に、帰ってきた清四郎。
今週は月曜日からずっと、父ちゃんに随行して欧州商談旅だったはずで。
『え、何でいんの?帰宅来週って言ってたじゃん』
予想外の顔を見たことで眠気も吹っ飛び、あたいは素っ頓狂な声を上げた。
そんな反応も予測の範囲内だったんだろう、清四郎はニヤリと笑って。
『僕を誰だと思ってるんですか?』
曰く、予定を予定通りにしかこなせないなんて、能力に問題がある、と。
スケジュールを上手に調整し、予定を3日も繰り上げた、と自慢げだった。
そんな奴を見ていて、あたいは突如閃く。
『また父ちゃんが、我侭言ったんだろ……?大変だったな』
恐らくは現在も会長職としてばりばり働く、父ちゃんが。
母ちゃんの元へすぐに戻りたい、とか何とか我侭言い出したんだろう。
有能な会長……らしいのに、未だに母ちゃんとのラブラブモードは全開で。
その度に清四郎や兄ちゃんを含む、色んな人が迷惑を蒙りまくってて。
大人としていかがなもんか?と、一度言ってやりたいもんである。
あたいの指摘に、清四郎は目を丸くしてから、肩をすくめて。
『さすが悠理、見事な野生の勘ですな』
しっかりと、肯定してくれた。
(よっぽど疲れたんだなぁ)
あたいはそっと身を起こすと、なるべく足音を立てないように、シャワーへ向かう。
昨夜は2人して泥のように眠りこけたので、朝もすっきりと目覚めた。
ざっとシャワーを浴びて着替えると、まだ清四郎は夢の中にいて。
(あ、ちょうどいいや、今出しておこ)
思い立ったら即実行、とあたいは、書き物机に隠してあった包みを持ち出した。
ジュエリー・アキでシンプルかつ綺麗にラッピングしてもらった、それを。
あたいが寝てた位置の枕の上へ、無造作に置いてみる。
きっとこれでも気付くだろう、なんて思ったけれど、ちょっとだけ悪戯心が芽生え。
自分のクローゼットから、いつぞやのクリスマスに使ったモノを取り出して。
せっかくだから、と先程の包みをそれにしまい込み、再度置き直した。
「……よし、いいじゃん」
無駄に綺麗な顔した男が寝てる枕元に、季節外れのプレゼント用靴下。
フリルとレースとリボンに彩られたベッドの上、明らかなミスマッチがシュール。
思わず携帯で撮りたくなったけど、それはさすがに我慢して。
「さて、飯食いに行こ。腹減ったもんな」
あたいは朝飯を食うために、部屋を出た。
*
ロマンチックなシチュエーションとか、そんなん絶対できないから。
季節外れのサンタの仕業で、勘弁してもらいたい。
絶対に、見つけろよ!
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。