[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
こんばんは、管理人です。
本日は「猫の日」ということで、勝手に清悠+猫をアップしてみます。
サイト再開後、ご挨拶やらコメント下さいました沢山のお客様へ。
個別のお返事はしていなくて申し訳ないのですが、本当にありがとうございます。
皆様からのお言葉を糧に、これからも地味に運営していきたいと思っております。
萌えの続く限りお付き合いいただければ、幸いです。
いろんな事をした。
ミルク飲ませて、トイレの躾もちゃんとして。
一緒に風呂も入ったし、寝るときだって一緒のベッド。
タマとフクは、大事な大事な家族。
『やっぱり猫が好き』
今日も家にやって来た清四郎は、タマとフクへ挨拶をする。
奴曰く「悠理を誰よりも良く知る間柄」だから、だそうで。
まあ、別に可愛がってくれてるし、いいけどさ。
そしたら今日は2匹とも、清四郎の足元へ軽い足取りで寄り添って、ぐるぐると。
何度も回って、体を摺り寄せて。
(あ、マズいかな)
猫の毛って細かくて、やたらと服に纏わりついちゃうから。
人に寄っては物凄く嫌がる事ぐらい、あたいでもわかるので。
「タマ、フク、こっち来いよ。ホラ」
ベッドに寝転がっていたあたいが声をかけると、2匹とも、みゃあ、と鳴いて。
清四郎から離れ、ベッドの上にすた、と上がると丸くなった。
「悪かったな清四郎、服毛だらけにしちまって」
あたいの言葉に、清四郎はえ、と一瞬驚いた顔をしてから、にこっと微笑んで。
「いえいえ、問題ありませんよ。お構いなく」
至って穏やかに、笑った。
やがて清四郎もベッドの上に移動して、タマとフクの頭を撫でる。
その手が驚く程優しげで、珍しいもん見たな、と思いつつ眺めていると。
「珍しいんですよ」
清四郎が、ぼそりと呟いた。
「何が?」
「家に動物がいる環境、ですね」
僕の家では動物を飼育した経験がないので、と清四郎は笑う。
「あー、おっちゃんが医者だもんな、マズいんじゃね?」
「単に両親の嗜好というか、それだけだとは思いますよ」
あたいの言葉をやんわりと否定して、それでも清四郎は遠くを見遣って。
「でも今考えますと、当時はやはり羨ましい気持ちがあったかもしれませんね」
「ふーん?」
こいつにしては珍しい発言だな、なんて思って耳を傾けてると。
「どうしてだと思いますか?悠理」
清四郎はいきなり、あたいに向かって訊ねてきた。
「え?」
唐突に振られた質問について、あたいは慌てて考える。
でも、そんな事を訊ねられても、答えなんて出せないと思った。
「ごめん、わかんない」
「ふふ、まあそうだと思いましたよ」
清四郎は存外上機嫌になって、猫の頭を撫でたまま、正解を教えてくれる。
「倶楽部の奴らと知り合った時、僕ら全員で魅録の家に行ったの、覚えてます?」
「えーと……あ、うん!」
あたいは自分の記憶力に対して、よくやった、と心で伝えた。
「確か、あの時は千秋さんが偶然帰って来てて、大宴会に発展したよな」
「そうそう、それですよ、悠理」
珍しくあたいが一発で正解した事で、清四郎はますます饒舌になって。
「あの時既に、魅録の家には男山がいましたよね」
「うん」
今よりまだもう少しちっちゃくて、可愛かった男山。
ちょくちょく魅録の家に寄ってた頃だったから、ずいぶんアイツとも遊んだ。
「清四郎、犬欲しかったのか?」
あたいが質問をしてみると、清四郎は一瞬目を見開いてから、首を振り。
「いえいえ、そうではなくて」
と、一瞬間を置いてから、驚くような言葉。
「お前と魅録の、ペットを飼っている者同士の話に加わりたかったんですよ」
「……はあ?」
首を傾げたあたいに向かって、清四郎は苦笑いをしてから続ける。
「当時の僕は、お前と話をするきっかけを必死に探していたんですよ、いつも」
「え」
「今にして思えば、呆れるぐらい無器用で純粋だったのでしょうね」
そこまで言ってから、清四郎はタマとフクから手を離すと。
あたいの手をぎゅっと握って、最上の笑顔を見せて、囁いた。
「タマやフクの話を幸せそうにしているお前は、とても可愛らしかったです」
もちろん今も、と言い添えられて。
この台詞にあたいがやられ、赤面したのは、お約束。
*
大事な大事な家族たちは。
飼い主の非常事態を、察知をすれども我関せず。
馬に蹴られて死ぬよりも、布団のまどろみを選びます。
04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。