[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
3月になりましたので、季節ネタでも、と思って捻ってみましたら。
何でもないノンカップリング文ができてしまいました(恥)。
高校時代のひとコマ、的なものになっております。
京都で新しい着物を仕立ててきた、母ちゃんから呼ばれて、部屋へ行くと。
「お土産よ、悠理」
にっこり笑って渡してくれたのは、軽そうな箱。
梅か何かの花が描かれた、綺麗な紙に包まれたそれを、受け取って。
「……へー、あんがと。開けてみていい?」
「もちろんよ!可愛いわよぉ、とっても」
満面の笑みで応えた母ちゃんを見て、中身がどんなもんでも褒めなきゃな、と。
心に決めてから、箱を開けた。
『弥生、とある日、昼下がり』
翌朝、登校時に見かけた、相変わらずのツーショットへ挨拶。
「おっす」
ひと言だけでもすぐにあたいと察し、振り返ってくれる、清四郎と野梨子。
「おはようございます、悠理」
「おはようございます。まあ、その箱はどうなさったんですの?」
野梨子は目敏くあたいの荷物を見つけ、首を傾げたので、あたいは説明。
「かーちゃんの土産なんだけど、部屋に置いたらどーかな、って」
「倶楽部に、ですか?」
清四郎の問いかけに、あたいは頷いて。
「季節がぴったしだから、いいかなー、なんて」
時間は進んで、昼休み。
魅録と清四郎が用事で遅くなってるので、ランチは残り4人で食べて。
あたいは可憐と野梨子の前で、件の箱を開封した。
「んまあ、可愛いじゃないの!」
「素敵ですわね、確かにここに飾るのにも丁度良い大きさで、いいですわ」
中身を見た可憐が、歓声を上げる。
その隣にいた野梨子も笑みを零し、2人の様子を見咎めた美童もやって来た。
「へえ、いいね。さすが日本、って感じじゃない?」
僕も今日デートする彼女に贈ろうかな、なんて呟いてるのは放置して。
あたいと可憐、そして野梨子でいそいそと飾りつけ。
「でっきたー!」
「うーん、やっぱり可愛いわねえ」
「春らしくて、とても素敵ですわね。部屋が明るくなりますわ」
3人で満足して、テーブルの上を眺めた。
母ちゃんの土産は、和紙で作られた雛人形。
絢爛豪華な段飾りではなく、手乗りサイズの小さなお内裏様と、お雛様。
それに同じ和紙製の屏風やぼんぼり、黒塗りの台がついて、見た目案外華やかで。
テーブルの上に置くには丁度よい大きさで、可愛らしかった。
「───ほう、雛人形ですか」
背後からかけられた声に、振り返る。
立っていたのは、微笑してる清四郎と魅録で。
「なかなか良いものですな、これも」
「そうだな、俺ん家は男ばっかりだからこんなの飾らないから、新鮮だ」
2人とも一応、気には入ってるらしい台詞。
そんな男どもを見てから、可憐はゆっくり立ち上がる。
「今日は緑茶にしましょうか?ちょうど、桜餅持って来たのよ」
「まあ、素敵ですわね。私も手伝いますわ」
野梨子も続いて行き、あたいは、やった桜餅!と手を叩く。
お前はやっぱり食い気ですか、と清四郎が苦笑いして、魅録は頷いて。
携帯片手に、相変わらずのデート予約に忙しそうな美童は、相変わらず。
今日も倶楽部は、平和です。
04 | 2025/05 | 06 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | ||||
4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。