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突然ですが、人魚様から拝借した選択式お題にチャレンジしてみます。
言葉の使い方に心惹かれまして、訪問してすぐにコピペに励んでしまいました(苦笑)。
ラブ度高めなのか低めなのか、微妙な文章になりました…。
拍手変更後も、思いがけずたくさんの拍手やらコメントやらを頂戴できて、本当に有難いです。
拙宅は、派手さも何もない、ひたすらに日常をのんべんだらりと書き続けるブログでございますが、それでもいいと仰って下さる方々におかれましては、どうぞお付き合いいただけますと幸いです。
君を綺麗に愛せたと思う
僕はこんなに、薄汚れた魂だけれど。
*
綺麗ごとで生きていくのは、無理な場所に、自ら飛び込む決心をしたのは。
愚かなほど一途に想い続けたひとに、寄り添うためで。
今更後悔などしていないけれど、でも、やはり。
大人になった、と言えば聞こえがいいけれど、酸いも甘いも噛み分けた心は。
どこか、隙間風。
それでも僕は、笑顔で君の元へと帰る。
「ただ今戻りましたよ、悠理」
「清四郎、お帰り。お疲れさん」
出逢った頃に比べ年を重ね、それなりに落ち着きも優美さも得てきた妻だが。
僕を出迎えるときのぞんざいな口調と、何より日溜まりのような笑みは、そのままに保たれていて。
隙間風吹く心ごと、包み込まれる感覚。
「今日も大変だったっぽいな」
「わかりますか?」
「眉間の皺。今日は一段とひでーぞ」
白い指が、僕の眉間に微かに触れて、逃げていく。
「ごめんな。あたい、何にも手伝いできなくて」
いつも彼女は、自分を卑下する。
確かに学業優秀とは言い難い妻故に、前会長夫人のような夫への功は期待できないが。
「おや、何を言ってるんですか、お前は」
僕は苦笑いを浮かべつつ、妻の頬を軽く抓った。
「いってぇ」
「お前が自分を過小評価するからですよ」
年甲斐もなく本気で頬を膨らませ、むくれた表情になる、その無垢な心は。
荒んだ僕の心にとって、どれ程の癒しを与えてくれているのか。
君は、知らない。
「お前がいるから、僕は毎日頑張れるんですよ」
「!……ったく、恥ずかしい奴だなあ」
相変わらずの薄化粧を施しただけの頬を染め、俯く首筋まで紅く染めた、少女のままに僕を愛してくれる君。
誰より純粋な輝く魂を、己の命続く限り守りたくて。
僕は愛する妻の手を取り、誓いを込めて口づけた。
*
僕はこんなに、薄汚れた魂だけれど。
君を愛する心だけは、綺麗なままでいられたと思う。
そして、これからも綺麗なままにいたいと、願う。
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。