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前回アップした1作、驚くほどご反響を頂戴できました、ありがとうございます!
で、色を修正してみましたが、いかがでしょうか?
もしまだ不都合が生じておられましたら、是非ご連絡をお願いいたします。
今回は、また人魚様から拝借した選択式お題より、妄想です。
素敵なタイトルを生かしきれてない感は、丸出しですが……あうう申し訳ないです(涙)。
きっと孤独が怖くて死んじゃうね
もう、ひとりには、もどれない。
*
愛を囁けば、真っ赤になって怒り出す。
それは拒絶ではなくて、羞恥の表れだと、知っている。
だからこそ僕は、つい調子に乗ってしまって。
彼女の機嫌を損ねてしまう事も、多々あるけれど。
「清四郎のばかっ!お前なんか、大嫌いだ!」
ああ、まただ。
感情のままに素直に気持ちを言葉に変えて、彼女は僕へ怒鳴りつける。
瞳からは涙が溢れ、絶え間なく頬を伝う。
昂る感情のままに吐かれる台詞の中で、一番堪えるのは、僕への拒絶。
天真爛漫で、周囲のものに惜しみなく愛情を注ぐ事ができる、太陽のような存在に。
そんな言葉を口に上らせてしまった、自分の未熟に呆れて。
何よりも、彼女の存在と、その想いを失う恐怖に怯える。
きっと貴女を失って、僕は生きてはいられないから。
常日頃優秀だ、と賛辞を浴びる頭も、憤る少女に対峙するには役立たず。
討論であれば驚く程滑らかに動くこの口も、気の利いた台詞ひとつ吐けやしない。
結局は実力行使に踏み切って、痩せた体躯を腕の中へ強引に閉じ込めて。
離せ、と泣き喚く少女をぎゅうっと抱き締めて、待つだけ。
「すみませんでした、悠理」
「うっさいっ……、ばかっ、もう、お前なんてっ、」
「僕が悪かったです。どうか、許して下さい」
「うー……」
陳腐な謝罪の言葉と、必死な拘束と、高鳴る鼓動。
僕が彼女に今見せられる、精一杯の姿。
着ているシャツを盛大に濡らし、彼女の涙は更に瞳から溢れて。
ばか、と時折繰り返す嗚咽が、僕の心を締め付ける。
それでも、愛しくて。
泣き疲れてか、目元を赤く腫らしたまま、僕の腕の中に少女が眠る。
(すみません……悠理)
涙の跡にそっと触れ、一方的なお詫びの印に、唇を落とす。
目覚めない彼女は、それでも無意識に温もりを求めてか、僕の胸に擦り寄って。
顰めたままの眉を緩めて、安らいだ表情になってくれたから。
乱れた彼女の猫っ毛を治して、細い体を抱き直した。
きっと目を覚ましたら、盛大に怒鳴り散らした挙句、ここから出て行ってしまって。
それでも、素直な彼女はまた、僕の元へ来てくれるから。
次こそは自分も、心情を素直に吐露しよう、と密かに決意を立てるのだ。
……果たせる事は、ほとんどないのだけれど。
*
ひとりになったら。
貴女を失ったら。
僕は必ず、死んでしまうことでしょう。
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。