ハロウィンですが

こんばんは。
カボチャのお菓子を買おうとするも、息子が食べないので断念した（涙）母です。
美味しいのに…。

ハロウィン的な小噺をせっかくだから、書こうと思っていたのです、が。
どうにもネタが浮かばぬままに、今日を迎えてしまったようです。
で、結局。
全くカップリングも何もない、曖昧な小噺が出来てしまったので、投下させていただきます。
繰り返しますが『カップリング要素皆無の小噺』です。
ご覧になる際は、ご容赦を。

ＢＧＭ　松任谷由実　SATURDAY NIGHT ZOMBIES

 

気持ちが弾んで、心が躍って。

 

　『パーティーが、始まるよ。』

 

理由なんて、後付けでも、大丈夫。
みんなで楽しく騒ぎたいから、って、それだけで。
二つ返事でＯＫして、笑ってくれたり。
しょうがねぇなあ、なんて苦笑いしてたり。
溜息ついても、やっぱり最後には、賛成してくれる。
素敵な連中ばっかりだって、知ってる。
で、結局みんな揃って、帰り着いたら。
「おぉー、みんなよく来たがや！」
「今日はたくさん楽しみましょうね」
さあ着替えてね、と臨時の衣裳部屋なるものに案内されれば。
客用応接間をひと部屋潰し、いろんな衣装やら装飾品やら、小道具までもが。
溢れんばかりに、出迎えてくれた。
「うっわあぁ」
「さすがはおじ様おば様だわぁ」
「圧巻のひと言に尽きますわね」
「相変わらずのこだわり様ですな」
「こりゃ決めるのも大変そうだなオイ」
「でも楽しそうだよ」
感想は六人六様だけれども、楽しむ姿勢に切り替わるのは、勿論一緒で。
さっそく各々で、支度にかかった。

「あー、腹減った。さー、食うぞ！」
腹回りが楽ちんで、たくさん食う気満々な、魔女ローブと黒い帽子のあたいと。
「お前はいつでも結局、食い気ですか……」
何故か黒い全身スーツにマントの、アメリカ人気ヒーロー姿の清四郎と。
「清四郎、悠理に今更そんな事言うだけ無駄でしょうが」
御伽噺の白雪姫にしては、やたら露出度の高い衣装の可憐と。
「そうそう、それが悠理だからな。俺らも飯食おうぜ」
満月でもないのに耳や牙が生えた状態の、狼男魅録と。
「魅録の言うとおりですわ。私もさすがに空腹ですもの」
珍しく猫の着ぐるみ姿なのに、口調は相変わらずの野梨子と。
「まずは乾杯でもしようか？せっかくだもん」
気障っちいドラキュラ姿で、ニヤリと笑う美童。
「おおー、みんなよく出来たがや！」
「素敵ねえ、後で写真撮りましょうね」
蓑を被った子泣き爺の父ちゃん、髪まで白くして砂掛け婆の母ちゃん。
使用人のみんなも、何かしらの仮装をして、すっかりお祭り騒ぎ。
軽快な音楽がエンドレスでかかる中、グラスを掲げて。
『かんぱーい！』

とりあえず、これでいい。

 

　　　＊

 

さあ、パーティーが、始まるよ。