[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
すっかり月1更新ペースの駄目な感じではありますが、拙宅へのご訪問ありがとうございます。
今日のイベントをイメージした小噺をひとつ、ちまく書かせていただこうと思います。
最近駄目だなあ…(嘆息)
定番だけじゃ、物足りないかな、と。
ネットであれこれ検索してて、目に留まったもの。
(……いい、かも)
思いついたら、即実行。
『プラスアルファは勢いで』
ネットで偶然見つけたのは、銀色に輝く、レーザーポインタ付きのボールペン。
メタリックにネームまで入れられる、中々の高級品。
こんなの作れる?って、銀座の馴染みの文房具店で尋ねたら、勿論ですよ、とOKを貰えて。
じゃあ頼むね、とその場で色々指定をしてから、店を出た。
「よっしゃ、これで今年はバッチリ!」
付き合ってくれてありがとな、と、同行してくれた友人ふたりへ礼を言うと。
「気にしないで、どうせ帰り道ですもん。あたしも色々参考になったわ」
可憐はさっき入った店で、どうやら狙ってる男に渡す何かを物色していたらしく、機嫌がいい。
「私もですわ。父様へのプレゼントに困っておりましたから、いいお店を教えて下さって、むしろ助かりました」
野梨子に至っては、何かを購入したようで、満足げに微笑んでいた。
「それにしても悠理、よくあんなもの思いついたわね。あんた、なかなかやるじゃない」
「へ?」
可憐から尋ねられ、あたいは首を傾げるが、野梨子も同意見らしく。
「本当ですわよ、悠理は思った以上に清四郎の事を良く見ているんですわね。そうじゃなければ思いもつかないですわよ」
ちゃんと悠理に想って貰えている清四郎は幸せ者ですわねえ、ところころ笑い。
あたいは上手に返答できず、顔を赤くしてそっぽを向くだけだった。
そして、2月14日本番。
「あのさ清四郎、今ちょっといいか?」
家の書斎で、何やら調べものに没頭している『婚約者』の背に、声をかけると。
「ええ、勿論構いませんよ、悠理」
にっこり笑って答えてくれる、清四郎。
ごめんなすぐ済ませるから、と言い訳がましく付け足しながら近づいて。
「あのさ、これ、バレンタインだから」
シンプルさを重視して選んだ、黒基調のバッグを手渡すと。
「……ありがとうございます」
清四郎は笑みを深くして、あたいの手ごとプレゼントを引き寄せた。
「わ、」
咄嗟の事にバランスを取り損ねたあたいの体は、椅子に腰かけていた清四郎めがけてダイビングする格好となり。
常日頃から鍛え上げている肉体は、容易くあたいを受け止めて抱き込む。
「ちょ、せいしろ、」
「良かった」
「へ?」
不意打ち攻撃に抗議しようと試みたあたいの言葉を遮るように、清四郎の呟きが聞こえて。
首を傾げたあたいに、清四郎は笑顔のまま続けた。
「お前から貰えなかったらどうしよう、なんて、子どもみたいにずっと悩んでいましたよ。朝から」
「……マジ、で?」
「こんな情けない行動をしたなんて、そんな嘘、つく必要はないでしょう?」
ありがとう、ともう一度、清四郎が囁きを落としてから。
滅多に見られない、優しい笑顔で、言ってくれた。
*
「それにしても、よくレーザーポインタなんて選びましたねぇ、悠理が」
「ん、まぁ……偶然じゃない?」
たまたまネットで見つけた、清四郎にぴったりだと思った商品。
(清四郎に何となく似合いそうに見えた、なんて、ちょい恥ずかしいよなぁ)
ささやかな秘密は、今しばらく内緒にしておくことにして。
「清四郎」
「はい?」
「ホワイトデー、期待してっから」
「……お応えできるよう、頑張りますよ」
05 | 2025/06 | 07 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 |
当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。