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皆様いかがお過ごしでしょうか。
先日現況をお知らせいたしましたが、管理人を気遣って下さるコメント等ありがとうございました。
皆様のお優しさに、感激しております。
そして日増しに寒さも強くなりますが、くれぐれも風邪など召されませんように、十分お気を付け下さいませ。
ところで今日は「世界パスタの日」だそうで。
んじゃ一作何かパスタ食べる話を、と捻ってみたら、パスタ全然関係のない小噺が出来上がってしまいました。
勿体ないのでアップさせていただきますね。
……何してんだろう自分。
清四郎と出かける時は、大抵アイツのプランに同意。
(仕切りたがりだもんなぁ)
まぁ、面白い場所にも美味い飯屋にも連れてってくれるし、問題はないんだけど。
『プランニングは柔軟に』
最近日本に進出してきたという、イタリア屈指の名門店。
開店前から雑誌やらTVやらでも話題になっていたというその店は、店構えからして風格もあって。
予約も殺到してたというけど、何故か。
「特別に、オープン前の利用をさせて貰える事になりましたよ」
「どんな手使ったんだよ、お前」
自慢げに胸を張る清四郎に、ぼそりと呟いてみれば。
「おや、人聞きの悪い。僕はただ、五代さん経由で予約をお願いしただけですよ」
「……マジかよ」
(それって最大級のプレッシャーじゃんか)
思わず天を仰いで、五代と対応した店の奴に、心から同情した。
そんでもって、せっかくいい店に行くんだから、と清四郎が見立てたカッコに身を包み。
「うん、さすがは悠理、良く似合いますねぇ」
「……そりゃどーも」
真顔でうんうん、と満足げな清四郎のストレートな賛辞に、多少照れ臭くなったりしつつも。
今日のデート目的その1(映画鑑賞)をつつがなく終え、レストランへ到着したあたいたちを待っていたものは。
「おー、悠理に清四郎君!」
「まあまあ2人とも遅かったわねぇ、待ちくたびれたわ」
(あー……やっぱりな)
何故に、と引きつった笑みのまま固まる清四郎の隣、あたいは綺麗にめかし込んだ我が両親へと手を振る。
「お待たせ、父ちゃん母ちゃん。映画すっごく面白かったんだ、食事の時にでも話すよ」
「あらそうなの?楽しみにしてるわ」
「うん、じゃあ早速入店するがや。ホレ清四郎君、おめも」
笑顔のあたいとうちの両親に急かされるように、清四郎は未だ引き攣った顔のまま、扉を潜り。
「いらっしゃいませ」
「お待ちしておりました、剣菱様に菊正宗様」
大量の店員たちから一斉に礼をされ、硬さを残した笑みのまま、頭を下げていた。
「まずはこちらでお寛ぎください」
案内されたのは、成人なら一杯ひっかけて待つような、バースペース。
「まあ、素敵ですわね」
「母ちゃん、一杯カクテルでも作ってもらうがや」
24時間飽きることなくラブラブなうちの両親は、腕を組んでバーテンダーの待つカウンターへと近づき。
ソファスペースには、あたいと清四郎のふたり。
「悠理、お前はおじさんとおばさんが来る事、知ってたんですか?」
そっと問いかける清四郎の、恨みがましい視線をまともに受けつつも、あたいは平然と首を振り。
「うんにゃ、全然。でも五代を経由したってお前言ってたから、これも有りうるとは思ってた」
ノンアルコール(さすがは未成年相手の対応だ、と思う)のウェルカムドリンクをくい、と含んだ。
「何たってあの2人だぞ。新規オープンする店なんて、好奇心丸出しで来たがるに決まってるよ」
「……確かに、考えればそうですよね。僕が迂闊でした」
清四郎は苦笑いして、肩を竦めた。
「だからさ、清四郎」
「はい?」
親2人がカクテル片手に談笑してるのを後目に、そうっと耳打ち。
「飯食った後、フケる?」
すると清四郎は、ふ、と笑みを漏らしてから。
「……では、僕の家でいいですね」
ただし帰宅は明日ですよ、と付け足して。
あたいの手を、そっと握った。
*
結局は、2人で一緒にいたいだけ。
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。