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ご無沙汰しまくってて申し訳ありませんでした、管理人でございます。
お陰様で現在体調はおおむね良好、来月久々の輪切り(=CTスキャン)です。
今年は我が家の小僧が高校受験(本日無事終わりました)だったり、小僧の母校がもうすぐ閉校だったり、
それなりに多忙でございましたが。
来週卒業式、それからPTAラスト行事を行って、無事お役御免になれそうです。
PC不調は実は回復しておりません(爆)。
しかしながら、だましだましで使っております。
ということで、本当にご無沙汰してしまいましたが、久々に小噺を投下。
……色々と駄目な感じですが……。
所謂「とびもり」にどっぷり浸かってしまっている駄目管理人故、ご容赦を。
啓蟄、とはよく言うもので。
『いろんな虫が、起き出して』
自室で椅子に腰かけて、タブレット端末片手にスケジュールを確認していたら。
「何してんだ?」
軽やかなアルトヴォイスと、両肩にかかる重み。
おや、と顔を上げて視線を移せば、最愛の彼女の笑顔。
「悠理、いつ着いたんですか」
タブレットから離した片手を、その柔らかな頬へ伸ばせば、彼女は目元を綻ばせ。
「ん、ついさっき。ちゃんとノックもしたけどさ、清四郎返事してくんなかったから」
おばちゃんがいいから、って言うもんだから、勝手に入っちゃった、と苦笑い。
うっかり考え事に集中していたか、あるいは既に慣れきって心許した相手だから油断していたか、と。
内省を心に秘めつつ、すみませんでしたね、と言いながら華奢な体を抱き寄せて。
柔らかな髪に顔を埋めて、彼女特有の日溜まりの安らぎを宿す香りを胸いっぱいに吸い込む。
「悠理、『啓蟄』という言葉を知っていますか?」
「けいちつ?」
首を傾げた目の前の彼女の、綺麗な瞳が興味深げに光を放つ。
「二十四節気、まあ昔の季節の区分なんですが、今の時期を指す言葉でしてね」
「ふゥん。そんで、意味は?」
「大地が温まり、虫が冬眠していた穴から出て来る頃、という意味です。フキノトウが顔を出す時期でもありますが」
かなり詳細を端折って説明してやると、悠理は嬉しそうに身を乗り出して。
「フキノトウかぁ、天ぷら美味いよなぁ」
にんまりと無邪気に笑みを零す姿に、こちらの表情もだらしなく緩む。
「相変わらず食い気第一ですねぇ」
「別にいいだろ、美味いモン食いたいっていうのは人間誰だって一緒じゃん」
頭を撫でつつ言葉を返せば、途端に頬を膨らませ、そっぽを向いてしまう。
己の感情を偽ることなく率直にさらけ出す、自分には決してできない彼女の姿には、いつも感動すら覚えて。
「ねえ、悠理」
「ん?……うわ、」
恐らく表情筋が緩んだままの僕の声に、素直に反応してくれた彼女を、両腕でしっかり抱き締めて。
可愛らしい耳へ、囁きを。
「僕の中でも『悪い虫』が活動したがってるんですが、どうします?」
「なっ……」
絶句して赤く染まった耳朶を、甘噛みしつつ。
抱き締めていた手をそろそろと動かし、細い腰をなぞってみれば。
腕の中の体は一気に体温を上げ、僕の肩へ頭をぎゅうっと押し付けて。
「何、そんな虫のいいこと言ってんだ……馬鹿」
ぼそぼそと、熱い吐息と共に吐き出された声の、か細さに。
理性を一気に吹っ飛ばされたのは、言うまでもない。
*
欲望と感情に、突き動かされ。
嗚呼、今年もまた、未熟な恋愛。
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。