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こんばんは、管理人です。
日付変わってしまいましたね(滝汗)。
今日から実家帰省ツアー出発なんですが、この時間になってもまだPCに向かってます。
イヤどうせ帰省は車ですし、運転は夫オンリーなんで問題ないんですが。
寝てますが。
何とか年内に一作、と思っていたのですが、日程的に無理がありました。
トホホな小噺をアップして、就寝させていただこうと思います。
もしお楽しみにしてくださっていたお客様がいらっしゃいましたら、申し訳ありません。
来年はもう少し頑張らねば!
今年もほとんど動かなかった拙宅へ、お越しくださいました皆様。
拍手コメント等で温かなメッセージをくださいました皆様。
本当にありがとうございました。皆様の優しさが心に沁みた一年でした。
亀の歩みではございますが、拙宅はまだ続けさせていただきたいと思っております。
もしお付き合いいただけましたら、幸いです。
それでは皆様、また来年お目にかかれますように。
些細な、でも僕にとっては意外な、発見。
『年の初めは、ご挨拶から』
仕事も漸くひと段落ついた、年末のある日。
婚姻という手続きを経て新たな自宅となった、剣菱邸の一角。
書斎を出た僕は、自分の寝室の扉をノックする。
「……悠理、僕ですが」
「んあ?」
ほんの少しだけ間を置いて、扉は音もなく開き。
今年その関係を『夫婦』と変えた相手が、笑顔で出てきた。
「どったの清四郎?ノックなんてしてさ」
お前の部屋でもあるんだからさ、と笑いながら。
妻となった悠理に促されるままに、部屋へと足を踏み入れた。
豪奢な作りの洋間の一角に、わざわざ掘り炬燵が設えられているのは、悠理の趣味。
炬燵でミカンとタマとフクは欠かせない、と主張した結果らしい。
実際に僕も炬燵で寛ぐのは嫌いではないので、特に異も唱えなかったのだが。
悠理の向かいで座椅子に腰を下ろし、ふうっと息を吐く。
「ほい、清四郎」
「ありがとう」
炬燵の上に置かれた茶道具で、悠理が手ずから淹れてくれた緑茶を啜る。
激務で蓄積していた疲労が、少しだけ抜けたような気がした。
「ノックは昔からの癖でしょうな。もともとはお前とタマとフクの部屋だったんですから」
「あ、まあ、そっか。だよなあ」
ミカン食えば、と悠理は橙色が山盛りになった皿を僕の方へ押し出してから、視線を手元へと戻す。
良く見れば、筆記用具と葉書が数枚載っていた。
「おや、何を書いてるんですか」
「何って、見りゃわかんだろ。年賀状」
ホレ、と一枚手に取ってひらひらと示したそれは、僕と悠理のツーショット写真。
服装から察するに、新婚旅行中に撮った一枚を利用したものらしい。
いかにも新婚夫婦ですよ、といった堅苦しい調子の挨拶文の下。
自分と悠理が同じ苗字で連名で記載されているのは、何とも不慣れで気恥ずかしささえ覚えた。
「あれ、いつも手書きしてましたか、悠理」
「うんにゃ、オール印刷だよ、枚数半端ないし。でもホラ、倶楽部の連中とかには、さすがにそれじゃ味気ないだろ」
ひと言添え書きぐらいはしてんだ、とにいっと笑うその表情は、心底楽しげで。
万事に大雑把な印象の強い妻の、意外な点を知る。
(そういえば、悠理からの年賀状は、毎年何か書かれていましたっけ)
思い返してみれば、確かに彼女特有の味のある字で、何か必ず書かれていた。
「今年は名前が変わってから初の年賀状になるんですな」
「そーゆーこと。あ、ちょうどいいや」
にいっと笑う悠理が僕の前に寄越したのは、既に添え書きが施されていた数枚の葉書。
宛名を見れば、全て倶楽部の連中。
「お前のと別々に出すのも変だから、ちょこっとひと言書いといて」
「……そうですな」
ふむ、と葉書を眺めて頷き、向かいの悠理に視線を向ければ。
既に次の葉書を見詰め、書く内容を思案している様子。
滅多に見ることのない真剣な表情が、やけに新鮮かつ綺麗に想えてしまった辺り、自分はどこか浮かれているのか。
こんな些細な遣り取りに、新婚だと意識するとは。
(……これも、新婚ならではの共同作業と言うべきでしょうかね。それにしても気恥ずかしいものですな)
口元が緩むのを自覚しつつ、書くべき内容を頭の中で整理して。
僕は徐に、悠理から寄越されたペンを手に取った。
*
『おかげさまで、それなりに恙なく幸福に過ごしています。』
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。