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前にもお題で酷似した話書いたじゃん!という突っ込みはどうかご勘弁を…。
清四郎一人称だと、思った以上に書きにくい(汗)いつも彼は暴走するような気がします…何故?
最大の問題点は、性格の悪い点が上手に書き表せないところです。精進せねば…。
目を閉じても、目を開けても。
波の歌が、聴こえる。
『ナツウタ』
空の青と海の青とが、混ざり合うような場所。
南の島は元から好きだけど、珍しく写真に一目惚れ。
……一緒に行けないかな、って思ったけど。
言い出せない程忙しそうな、相手。
だから、一人で行こうと思って。
「悠理?」
「……清四郎……」
グッドかバッドか、言いようのないタイミング。
空港で鉢合わせ、なんて。
ビジネススーツとリゾートウェアの、見事なミスマッチ。
「旅行ですか?」
「ん」
「誰と?」
「ひとりで」
「……ひとり、ですか?」
あたいが寂しがりなのを、人一倍良く知ってるから。
清四郎は、不審顔。
だから仕方なく、種明かし。
「だってお前が忙しいだろ」
「!」
「他に、一緒に行きたい相手、いないもん」
そのとき、計ったようなアナウンス。
あたいの飛行機、出発時間。
だから笑って、手を上げる。
「じゃ、仕事頑張れよ!」
格好つけて、手を上げて。
言い捨ててから、背を向けた。
*
あれは、3日前の話。
そしてあたいは、毎日波の歌を聴く。
「……きれー……」
青い空と青い海。
絶え間なく響く、空と海との歌。
目を閉じて、ずっと耳を傾けていたい。
いつか、聴かせてあげたいな。
「綺麗ですね」
届いた声に、思わず硬直。
砂浜を踏みしめて、近づく足音。
背中から、ぎゅっと抱き締められて。
「本当に、ひとりだったんですね」
「疑い深いな。信じてなかったのかよ?」
「お前は寂しがりますからね」
低くて穏やかな、波の音みたいな。
優しい声が、静かに届く。
吐息と一緒に聴こえたのは、珍しい弱音。
「寂しかったのは、僕です」
「……え」
「お前が近くにいてくれないと、駄目なんです」
あっけらかんと、やたらいい笑顔で言い放つ。
だから、あたいも笑ってやった。
*
絶え間ない、波の歌。
今から、2人で聴こう。
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。