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勝手に未来話。
清四郎と悠理の同棲中、もしくはお泊り中ということで。
管理人がコーヒーを好きだという理由だけで、コーヒーをお供にしたSSを
4本ほど書いたので、1本ずつ投下しようと思います。
開設1週間ぐらいは、毎日投稿を目指したいので(爆)
目を覚ます香り。
意識を呼び起こす苦味。
現実を知らせる、もの。
『モーニング・ブラック』
「……ん……」
目を開けると、光の洪水。
白い世界には、一人きり。
月光の中、縺れるように絡まり合っていた相手は、もういない。
「朝、かぁ……」
人前では禁じられる、大欠伸をひとつ。
それから上半身を起こして、思いっきり伸びをする。
光の洪水の中、鮮やかに肌を彩る、紅が目に付く。
「ったく、もう。あんまり、跡つけんなって言ってんのに」
上気する頬は無視して、苦笑い。
「今朝は、随分と早いお目覚めですな」
涼しげな声と共に、すっかり慣れた香りが漂ってきた。
「あ、おはよ、清四郎」
「おはよう、悠理」
きっと自分より早く目を覚まし、シャワーでも浴びたのだろう。
いつもと違う、セットしてない前髪。
素肌にシャツを引っ掛けた男は、朝の顔で笑う。
光に溶けそうな、輝き。
手に持っていたのは、お揃いのマグカップ。
「どうぞ」
「あんがと」
濃い目に落とされたそれを、一口。
こいつの好みで、朝は苦めのブレンドが多い。
すっきり目が覚めるから、と教えてくれた味にも、すっかり馴染んだ自分。
「美味い」
「それは何より」
清四郎はあたいの言葉に、やたらと嬉しそうに微笑んだ。
「……それにしても」
「ん?」
怪訝そうな表情になる清四郎に、首を傾げると。
奴は、不意にあたいの手からカップを奪って。
ついでに体を引き寄せて、ぎゅっと抱き締めた。
ボディーシャンプーの、柑橘系の香り。
鍛え上げられた、逞しい体躯。
あたいだけの場所になってから、もうどれくらいだろう。
「不覚ですねえ」
あたいの髪を弄びながら、清四郎が不満げな声。
「何が?」
腕の中から見上げると、奴はにやり、と意地悪い笑み。
そして。
「悠理をキスで起こしたかったのですが、先に起きていたでしょう?
……昨夜、もっと疲れさせれば良かったかと思いましてね」
爽やかな朝には、全く似つかわしくない爆弾発言。
「………!?」
絶句して、硬直。
回復に、約10秒。
全身から火を噴きそうなぐらい、羞恥心が湧き上がって。
馬鹿野郎!と叫ぼうとして、口を開いたら。
待ってましたとばかりに、相手の唇に塞がれた。
*
甘くない現実の。
イヤになるほど、甘い時間。
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当ブログへ掲載している作品は、小学生当時連載開始から読んでいた思い出の作品。数年前にちょっとだけ二次創作を綴っていましたが、いきなりブームが再燃しました。
更新ペースは超・いい加減でございますので、皆様どうぞご容赦を。